「入社して10年以上同じ会社に勤めたけど転職できるのか?」という質問ですが、
答えは…「もちろんできます!」です。
今、日本の平均勤続年数は12.1年と言われています。
ですので、10年以上同じ会社で働かれたということは特に特殊なことではありません。
20代の短期離職や平均勤続年数が下がってきていることが問題になっており、長期就業に向けての対策などに取り組んでいる企業も増えています。
そのため、10年以上同じ会社で働かれたという事実は上手く活かすと企業にとっては採用時の安心材料になります。
今回はその「上手く活かす」方法について解説させていただければと思います。
この記事は大手人材会社に勤務するKonyさんに執筆いただきました。
「入社10年以上同じ会社に勤めた」は人事から見るとどうみられるのか?

「入社10年以上同じ会社に勤めた」という事実からもたれるイメージは見る側の企業の勤続年数に関係があります。
勤続年数が高い会社から見ると…下記のようにみられます。
・忍耐力がある
・長期就業イメージがある
・しっかりとスキルがついてそう
一方、勤続年数が短い、もしくは創業10年程度のベンチャー企業から見ると…下記のようにみられます。
・文化が合うかどうか心配
・柔軟に対応できるのか心配
上記のように、勤続年数がながい会社から見ると、実際に現在いる社員に似たイメージを持ち就業イメージがつきやすくポジティブに捉えられやすいです。
しかし、ベンチャー企業は勤続年数の長い会社の特徴としてあげられる「安定志向の社風・比較的就業環境が落ち着いている・制度や福利厚生が整っている」というような条件が整う前段階に位置します。
そのため、ベンチャー企業の人事は今まで勤められてきた会社と大きく環境が変わることに適応できるか心配というネガティブなイメージが先行します。
正しく「入社10年以上同じ会社に勤めた」をアピールするためには?

せっかく勤め上げた10年以上を数字だけで誤解される場合がございます。
そのようなもったいないことが内容に本章では10年間の職務内容をどのように相手に伝えると良いかを解説させていただきます。
アピールポイントとアピール方法
「入社10年以上会社に勤めた」のアピールポイントと伝え方は下記になります。
■アピールポイント:
採用時、人事は過去ではなく「未来どうなるのか?」という観点で選考を行なっているため、欲張って伝えるとアピールポイントがぶれてしまいます。
そのため、アピールポイントはシンプルに『忍耐力』にすることをお勧めします。
■忍耐力のアピール方法:
・アピール時期は、「面接」の際をお勧めします。
具体的には、「転職理由」を相手に伝える際に10年以上会社に勤めたエピソードは活きてきます!
・アピール方法は、「転職理由は〇〇です。」の後に「何度か改善するためのアクションをとった」というエピソードを入れてください。
転職理由の質問のポイントは「長期就業できるかどうか」つまり「簡単に会社を辞めないか」という点となります。
そのため「ただ不満があるだけではなく、不満を解決するために努力したけれど…」という努力の部分がすごく大切になります。
この努力のエピソードは就業期間が短い人だと、人事から「もう少し経ったら変わったんじゃない?」「もう少し行動できたのではない?」とつっこまれやすい項目です。
そのため、長期就業の経験がとても活きる項目になります。
アピール時の注意点
全文でも少しお伝えさせていただいたのですが、勤続年数が比較的短いベンチャー企業やIT企業などからは「入社10年以上会社に勤めた」という点がネガティブに捉えられる可能性がございます。
そのため、職務経歴書に『柔軟性』をアピールするような文章を入れていただくことをおすすめします!
・アピール方法:職務経歴書にある自己PR欄などに実際の柔軟に対応したケースを用いてご記載ください。
(例)下記例をご参考にエピソードを盛り込んで下さい。
私の特徴(強み)は「柔軟性」です。
同社で10年働いており、後輩の指導などにも携わりました。
同じ会社の社員とは言え、年齢が変わると考え方の違いなどもあり、言葉の行き違いなどで業務に滞りが出ることがありました。
この原因は、お互いの共通認識がずれていることが原因と考え、まず対話をしお互いのことを知り、共通認識をすり合わせ指示だしや業務を行いました。
その結果円滑に物事が進むようになりました。
POINTは、今までとは違うものに直面したとき、どのような対応を行うのかが相手に伝わるようにご記載ください。
まとめ

「入社10年以上同じ会社に勤めた」ということは本当に素晴らしいことであり、日本の転職市場において優位に働くことは間違いありません。
しかし、転職が少しずつ増えてきた今「勤続年数より中身」というような考え方が強くなり、今までほど優位には働かなくなってきています。
そのため、改めて今まで以上に入社10年以上同じ会社に勤められたことは自分のどのような部分が要因だったのか?なぜ続けられたのか?というご自身のアピールポイントにつながる部分までしっかりと深掘りして転職活動に望んでください。
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